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インドであやしいインド人とデートした話

※今回も長いので、お忙しい方は読み飛ばされてください。


1.あやしいインド人?現る

ある日のこと。コルカタ(カルカッタ)の市場でチャイ(※スパイスミルクティー)を飲んでいると、一人の男が話しかけて来た。

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【写真1】チャイ屋にて


男は「この店のチャイは最高だろ!」「お前はどこから来た?日本?」「おれはウズベキスタン出身だが、親父が郵便事業をやっていて、インドに赴任してるんだ!」(以下略)とまくし立て、「おれのパートナーの写真を見るか?」とスマホ写真を見せてきた。...ナイスバディのすんごい美女が写っている。


2.スイミングの成果?

「マレーシア人なんだ」と男は自慢気に言う。...が、ぼくの興味はマレーシア美女よりも、その隣にいる男に注がれた。女性よりも男性に興味があるから...ではない。写真の男と目の前にいる男があまりにも似ても似つかないからである。

写真の男は《筋肉質のさわやかナイスガイ》。対して、目の前の男は《ひょろひょろのあやしきヒゲサングラス》なのだ。

《ひょろヒゲ》はこちらの不信感を察知したのか聞きもしないのに、

「この頃はホテル勤務だったからヒゲを剃ってクリーンだったんだ」「お前は筋トレが好きか?おれは嫌いだ。昔はやったが、今はスイミングをしている。スイミングは健康にいいぞ!」と解説を加えてくれた。

どうも彼はここ数年で、ヒゲを生やしてクリーンではなくなった上に、スイミングを始めて15kgほど筋肉がそぎ落とされ健康体になったようだ。そこにはきっと涙ぐましい努力があったに違いない。


3.スイーツとバイクと謎の20ルピー

男が「スイーツは好きか?」と聞いてくるので、「好きだ」と適当に答えると、「おれのバイクに乗れ」と後ろに乗せられスイーツ屋に連れて行かれた。

男は「好きなスイーツを買え」というが、並んでいるのは全部スイーツという名を冠したクッキーである。別に要らないので一番小さいものを買う。20ルピー(30円)を払おうとすると、「ここの店主はおれのブラザー、お前はおれのフレンド。だからお金はいらない」と謎の理由で20ルピーが返ってきた。何ともあやしい...(笑)

※【写真2】ちなみに男が「バイク」と呼んでいたのはこちら。別のインド人に「インドではスクーターをバイクと言うのか?」と聞いてみたが、当然呼ばないらしかった。


店を出た男は「お前は一日にいくら使うんだ?」「日本円はインドルピーでいくらだ?」など聞いてくる。どうも自分が20ルピー(30円)しか使わなかったのがお気に召さなかったらしい。

こんな質問をしたら、だまして金を取ろうとしているのがバレバレの気がするんだが...。男はどうもまだ駆け出しの詐欺師であるらしい。


4.ミスティドーイを探せ

さて、「もっとどこかに連れてってやる」と男は観光地の名前を挙げ始めた。遠い場所に連れて行かれると帰れなくなって大変困る。丁重に断った後「ミスティドーイが食べたい」と言ってみた。

ミスティドーイとは甘酸っぱいヨーグルトみたいなものだ。友人から「コルカタでぜひ!」とオススメされていたので、ちょうど食べに行こうと思っていたのである。


ところがこの「ミスティドーイ」という名前を聞いた途端、男はなぜか固まってしまった。「え...?」「何...?」

ミスティドーイ!と三遍ほど耳もとで叫ぶ。ようやく「...ああ、ミスティドーイな。あれはベンガル語では△※□☆って言うんだ」と言って、バイクを走らせ始めた。...どうも彼はミスティドーイを知らなかったらしい。


途中、たまたま知り合いを見つけた男はバイクを止めて何か話し始めた。「何、話してたの?」と聞くと、男は「バイクの調子がいまいちだから、後で見てくれって言ってたんだ」と答える。お前、絶対ミスティドーイの店、聞いてただろ!(笑)


数分後、店に到着してバイクが止まった。「着いたぜ」と笑みを浮かべる男。...が、哀しいかな、男が指さす店先では茶色いおやつが油で揚られているところだった。「これはミスティドーイじゃないぞ」と言うと、「そんなはずは...!」と男は焦り始め、店の中にずかずか入り込んで「ミスティドーイを出せ!」とオヤジに迫る。オヤジが冷蔵庫からミスティドーイを出すと、男は安堵の表情。こちらまで「よかったな」と言いたくなってしまう。


5.おなじみのお別れ

ミスティドーイを買ったところで、そろそろ男と別れることにした。「一人で歩きたいから、おれは行くよ」と伝える。

歩き出そうとすると、案の定「案内したんだから200(300円)ルピーくれよぉ」とせがんでくる。

(※これは彼らの常套手段で「〜してやったんだから金をくれ、フレンド」と見返りを要求するのである。)


試しに40ルピー(60円)渡して「じゃあな」と言ってみたが、「こんなんじゃタバコも買えねえよぉ」と笑われた。「えー、200は高いよ」とゴネていると150ルピー(230円)に下がったので、それで手を打つと、男は笑顔で去っていった。こちらも思わず笑みがこぼれる。詐欺師というには、あまりにもチャーミングな詐欺師だった。

【写真3】ミスティドーイとうれしげな男。その後ろにオヤジさん。


6.エピローグ

「日本円にしたら大したお金じゃないんだから、街を案内してもらう代わりに、食事をごちそうしてあげたり、多少チップをあげたりする。そんな感じでいいんじゃない」


ぼくがインド出発前に北アルプス常念小屋で働くMさんから言われた言葉である。


インドは旅人の間でかなり警戒されている国で、「話しかけてくるやつは、だましてくるやつだ」「話しかけられてもひたすら無視しろ」などとよく言われる。

実際それが正しい場面もあるけれど、そればかりだとインドという国の、だだっ広い懐には入っていけない気がする。


インドは基本的に面倒くさいことが多い。駅で空港で観光地で、ひたすら声をかけ、からんでくる。ひどい目に遭ったり、腹が立ったりすることもある。けれども、時に出会ったことがないような温かさや無邪気さで迎えてくれる人がいる。警戒心でとげとげになっていた心を打たれて、はっとしてしまうのだ。

心を開いて街に飛び出せば、人間くさい魅力的な出逢いがインドではそこらじゅうに転がっている。それがインドという国が持つ一つの大きな魅力のようだ。


※たまたま男が初心者だったこともあり、コミカルな寸劇のようになりましたが、特に首都デリーなどでは危険な被害も多いそうです。インドにいらっしゃる方は情報を集めて十分注意されてください。



アオト


コメント
みさん

ギャ、ギャルですか?
次の記事はすでに用意してしまったので、その次がんばります(笑)
  • アオト
  • 2019/02/20 10:02 PM
こういう方向の間違いとは(-_-)

将来のミス・インドでも良いから、ギャルの画が欲しい所だぜぃ(〃▽〃)
  • 2019/02/20 8:07 PM
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